休日。快晴だ。
しかし、朝からテレビで電話出演。
WHOの会議結果などをふまえて質問された。
う~ん、僕よりも詳しい方々が首都圏にいるのにと思う。
僕は話は上手ではない。
そういえば、昨夜のTBSラジオでも電話で話した。
そういえば大阪の有名な番組出演を頼まれた、昨年12月にも出ている。
そういえば…、もう止めよう。
現在の新型インフルエンザ(ブタインフルエンザウイルス由来新型A(H1N1))の状況と、今後を想定することは難しい。
大変であると言い切るのは簡単だ。
でもそれじゃコメントにはならない。
”大変です!”、
”やっぱりそうですか”
”そうですよ、新型インフルエンザがやってきたんですよ!、大変に決まっているんじゃ無いですか”
そう語っているのは、コメントする側としては安全だ。
正しい事実を直視し、自分の考える正しいと思う意見を語るべきであるが。これは意外と難しいものだ。
これは臨床の医師と全く同じ舞台に立っている状況だ。
自分が責任を被らないように、状況が悪いことをオーバーに語って、相手に希望を捨ててもらうか、または状況は悪いが、確率は低いものの、相手が希望を抱くことが出来るような説明をすべきか…。
僕は考えられる事実を全て話して、その上で、自分が抱いている可能性を話し、その可能性を相手と共有してゆくという立場をとる。これは結構辛い立場になる。
新型インフルは(ブタインフルエンザウイルス由来変異A(H1N1)株によるインフルエンザ)日本の言葉である。
WHOがフェーズ分類を上げると同時に国内の報道は、この新型インフルエンザという用語を使い出した。
病状、感染力などから判断すると、季節性インフルエンザとほぼ等しいか、それよりもやや病原性が低い程度だ。
問題は、これまでどの程度世界に広まっているのかである。先週から突然広まりだしたわけではない。既に1ヶ月以上も前から感染者はメキシコ国外に出ていたはずだ。
多くの軽症例は、帰国した先で自然治癒していたはずだ。よしんば薬を飲んだとしても軽く治っていたと思う。
ニューヨーク市の高校で、春休みにメキシコへ旅行した一団が戻ってから、校内を中心に感染が広がっているようだ。要するに感染リングが広がっているのだ。
季節性インフルエンザでは当たり前のように、見られるパターンである。インフルエンザは集団内では感染しやすい。
米国CDCは、米国内でさらに患者数は増える(見つかる)だろうと予測している。同時に死者数も増えてくると予測している。
米国で死者が出た場合、その臨床像、経過、剖検所見等から、この新型インフルエンザの本体がもっと見えてくると思われる。
いずれにしても軽症例が圧倒的に多いことは確かである。
新型インフルエンザという言葉の持つイメージが良くない。この言葉には、H5N1鳥インフルでたたき込まれた暗黒のイメージしかない。
恐れることはない。万が一国内で発生しても、大多数は軽症で終わる。薬を服用しなかったとしても、多くの人々は自然経過で治る。
この1,2ヶ月、国内で感染・発病していた人も多いかも知れない。
だって3月から4月下旬にかけてメキシコに出かけた人は結構いたはずだ、そうした人の中で帰国後にインフルエンザ様症状を出した人もいると思う。国内で流行中のインフルエンザに紛れたと思う。そした何事もなく治癒したはずだ。
このような人々の存在がどれだけいたのか、各地の保健所は調査すべきだと思う、それが保健所の役割であり、疫学調査という。
これはあくまでも僕の推察である。
今日も取材がいくつか入るかも知れない。
時間がない。自分が情報を収集し、状況をまとめ、そして今後を予知してゆくための時間が乏しくなっている。
依頼原稿も増えていて、完全にパンクしそうである。
外はますます明るくなってきた。
睡眠時間4時間の頭は、既にエネルギーを消耗しつくしそうだ。
時間が出来たら、状況をまとめ、今後の状況を予知してゆこうと思っている。
連休中も情報は欠かさず発信してゆくつもりだ。
海外情報を意訳、または全訳して即刻メールで送ってくれる協力者がいたなら嬉しい。
噂話は必要はない。
そういってたら早速サイエンスのコラムを担当していた塚口さんから、非常に興味ある論説の訳文が入った。
従来のソ連型H1N1ワクチンは現在のブタインフルエンザに効くか否かというテーマだ。
CDCの研究では無効とされているが、聖ユダ小児研究病院の世界的インフルエンザ研究者のウエブスター博士は、何らかの効果はあり得る、死ぬか軽症で済むか程度の効果はあり得るのではないか、自分なら接種すると語っているようだ。
また注目すべきこととして、メキシコでは子供と高齢者にはワクチン接種が行われているという。死者の多くが成人層であることと何か関係があるのか、気になる。WHOによる疫学調査で、何かが見えてくるのかも知れない。
夕方の情報。
さすがである。
英国保健省が、全家庭にブタインフルエンザの情報と、説明を書いたリーフレットを配布するという。
公衆衛生先進国である。することが違う。もう配布されるというから、すごいと思う。
何をするべきか知っている国と、マニュアルに従って業務を遂行する国の違いは、歴史的なものだろうか。
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