昨日も書いたが、ヨーロッパでは高齢者と子供のワクチン接種(2回接種対象者)の2回目が中止になったようだ。マルタでの記事ではあるが、ヨーロッパ各国と相談となっている。
妙なくらいインフルエンザはヨーロッパで流行していない現在、ワクチン接種の意義が失われてきているようだ(市民レベルと国レベル)。
さらにWHOによる”偽りのパンデミック宣言”問題が多くの人々から指摘され、またヨーロッパ評議会でのWHOのケイジ・フクダ氏の答弁の嘘も指摘されている。すなわち、WHOはパンデミックの定義に重症度は以前から加味してなかったとする発言は、明らかに嘘であるのは、管理人も知っていたが、WHOのサイトにその証拠が載っているから、問題は泥沼に陥っている。
WHOも世界的にパンデミックは下火に向かっていると発表し、以前ほどの強気の警告は出さなくなっている。ワクチン接種を急げ、との談話もない。
表現が適度に変えられてゆくのは科学ではなく政治である。
また発言者もケイジ・フクダ氏が中心でチャン事務局長の発言が少ない。
パンデミック宣言を巡って首脳部の責任が問われるかもしれない。
米国では連邦政府によるワクチン接種啓発がいまだ盛んであるが、接種率は23.4%に過ぎない。連邦政府は2億回接種分の余剰ワクチンに関して、明確な考えを発していない。
日本の接種率はどの程度なのだろうか?
学童での2回目の接種率は?
米国では38%程度のようだ。
米国カリフォルニア保健局からの情報。
カリフォルニアでのA/H1N1感染者の致死率は1万人に1人という。0.01%。
一方これまで1300万人の州民(人口3550万人)がワクチン接種を受けているが、3人が死亡している。
1人は接種時にすでにインフルエンザを発病していて、さらに溶血性連鎖球菌感染症を併発していた。1人は、心臓疾患保有者で、心因は原病によると考えられている。最後の例は現在当局でワクチン接種との因果関係が調べられている。
これらのデータから言えることは、ワクチン接種による死亡率は最大で430万人に1人、または1300万人に1人、または1300万人でゼロということもあり得る。
州ではワクチン接種に消極的人々に対する明るいニュースとなるはずだとコメントしている。
でも問題はワクチン接種がどのような効果を上げるかであるが、そうしたデータはない。安全性を示すデータばかりである。
ワクチン効果を示唆する発言はカナダ保健省とスウエーデン保健省から出ていたと思うが、流行が早期に終了したことを、ワクチン接種率が高いことをあげていた(スウエーデンは6割、カナダは5割弱)。しかしこれは正しいかどうか分からない。流行が10月初旬には終息していた香港の接種率はわずか2.5%程度だ。
日本の厚労省の説明のように重症化を抑える効果に関しては、今のところデータはない。
一方、ヨーロッパでの批判的意見の中に、昨年の南半球ではワクチンは無かったが、死者数は季節性インフルエンザよりも低く、また想定された数の十分の一以下だったではないかという主張も見られる。
世界屈指の臨床医学雑誌であるNew.Engl.J.Med(ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン、米国)に、A/H1N1インフルエンザの家庭内感染率の調査結果が掲載された。これは12月末にオンライン版に掲載され、CIDRAPが紹介していたものだ。米国で流行初期に感染者が出た家庭を調査して、家庭内感染の実態を評価したもので、調査研究としては卓越したものである。以下簡単に:
{感染者が発生した216家庭野中で27%で二次感染者が出た。
全家庭の家族メンバー総数600人中、13%で感染(78人)。これは1957年と1968年のパンデミックの際の感染率20%よりも遙かに低く、季節性インフルエンザの場合40%近くまで感染率が上がることもあることを考えると、A/H1N1の家庭内での感染率は低いと言える。
全家庭の家族の平均年齢は26歳であったが、感染した家族員の年齢の中央値は14.5歳から16.5歳であった。
家族内で、小児とティーエイジャーが成人よりも明らかに感染し易いことが確認された。
18歳以下は19歳から50歳の2倍、50歳以上はさらに低い。
感染するまでの中央期間は2.6日間。}
家庭内での感染率が低いことは、日本国内で最初に発生した関西の高校の例を見ても明らかだった。この米国の調査結果以上に、日本では、家庭内で子供->両親、祖父母への感染率は非常に低く、起きた感染の大多数はハイティーン以下の兄弟間であった。
米国の家庭内環境と比較すると、日本の方が、より密に家族が接していると思うが、その日本の方が成人層への感染率がさらに低い(正確な学術的データは知らないが、行政的に公表されたデータから考えると、両親への感染例は極めて少ない)。
A/H1N1の感染率が季節性インフルエンザよりも低いことは、発生当初から想定されていた。
このウイルスは、明らかに易感染層である十代以下の子供達が密接に接触している場で感染しやすく、成人が多く集まる公共の場所、交通機関内での感染率は非常に低い。成人での感染は散発的で、発生数もに非常に少ないことから、それは確認される。
通常の季節性インフルエンザでは、特に香港型、巷で成人や高齢者が感染する率が高いから、社会的にもインフルエンザ流行がインパクトをもって影響してくる。
A/H1N1インフルエンザが、季節性インフルエンザのように高齢者施設で流行した事例はどの程度あるのだろうか。皆無に近いと思う。
そうしたことから考えても今回発表されたロンドン大学と米国CDCの研究報告は、疑問の予知無く頷ける。
A/H1N1の家庭内感染率は季節性インフルエンザよりも低い。この表現は、A/H1N1の社会全体における感染率は低いという表現に置き換えることが出来るかもしれない。感染が高率に発生するのは、十代以下の子供達が密接に集合する学校、キャンプ、その他の場所に限定されている。(米国の場合、ハイティーンから20代前半の兵士達が集まる新兵訓練部隊でも発生はしているが)。そうした場所での感染率は別な調査が必要である。
新型インフルエンザであるから、誰も免疫を保有していない。だから感染率は高いという先入観から、初期の学術的報告(といえるか分からないが)では、感染力が高いようなもっともらしい発表が見られた。いわゆるバイアスがかかった研究報告である。
致死率も然り。0.5%ととか、0.4%ととか、色々な致死率が論文で計上された。(オイオイ、ソンナニ、アナタガタのシュウイデハ、ヒトガシンデイルノデスカ?と当時思った)
問題は、新型インフルエンザであるかどうかの分析が科学的になされないで、WHOが新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザ)と宣言したから、新型インフルエンザなのだと判断した研究者の方に問題があることは、意外と社会では気づかれていないようだ。だから当初は危険な新型インフルエンザを想定させるような研究発表が相次ぎ、マスコミももっともらしく取り上げる傾向にあった。
新型インフルエンザ、またはパンデミックインフルエンザの科学的定義が全くなく、ただWHOが宣言したことから、それに従ったことが、混沌の始まりだったような気がする。
昨年初冬に、何人かの”専門家”が冬には大流行、または変異ウイルス誕生の心配があると語り、それは結構マスコミ受けした。当方は取材に対して、既に易感染層の子供達の多くが感染したし、低温下ではH1N1ウイルスは活動性を減じるようだから、年明けには流行はしないと思うと答えると、それは記事にはならなかったようだ。
そして今、秋口に煽ったマスコミはオリンピック取材に忙しいのか、新型インフルエンザに関する記事は書かない。全くアフターサービス精神に欠ける。
オーストラリアからの情報。
ニューサウスウエールズ州では夏の真っ最中であるが、2~3ヶ月もするとH1N1の第2波が発生する可能性があると言う。今のうちに乳幼児のワクチン接種をすべきと啓発がされている。
保健当局者の説明では、今年度からA/H1N1は季節性インフルエンザの中心になると考えられている。ただし冬にどれだけ流行するかは分からない。
昨年度の状況では、入院者の多くが乳幼児だったことから、今、乳幼児にワクチン接種を行うことは重要だ、とコメントしている。現地は8月である。
5日に発表になったハーバード大学公衆衛生学部のアンケート調査結果を、ニューヨークタイムズがまとめて発表している。
大多数の米国人は豚インフルエンザワクチンを接種する意志はなく、パンデミックは去ったと考え、また脅威が誇張されたと考えていることが明らかになった、と前文で書いている。
訳文を{詳細}欄に掲載してある。
なおCDCはハーバード大公衆衛生学部に依頼して世論調査を行っているようだ。
5日、WHOはH1N1のタミフル耐性株による感染発生事例が225件報告されていると発表した。以下CIDRAP ニュースから。
{世界のタミフル耐性H1N1株、225事例に達する
WHOは5日タミフル耐性H1N1事例がこれまで225例見つかったと報告した。耐性株はいくつかの事例では集団内で人人感染を起こしたが、地域内へは拡大はしていない。
多くの事例では極度に免疫が抑制された患者で耐性株が見つかっていることから、WHOでは、このような患者のモニターを強化すべきと言っている。
225事例は20カ国で見つかっている;アメリカ大陸で65、ヨーロッパで77、アフリカで1、西太平洋地域で82例となっている。
十分にデータが分析されることが可能な142事例のうち、56(40%)例が極度に免疫が低下した患者で検出、54(38%)例が治療中に検出、そして15(11%)が予防投与中に検出されている。16例は抗インフルエンザ薬が使用されてない事例での検出となっている。
WHOは耐性株が集団感染した3事例を挙げている。米国、英国、及びベトナムである。
WHOは広くパンデミックが広がっていて、多くのタミフルが使われているのに対して、耐性株の頻度は低いとコメントしている。}
米国ミシガン州。
懸命にワクチン接種啓発を進めているが、接種率は低いようだ。
{第3波が発生する可能性があるから、ミシガン保健当局では未だ2回目のワクチン接種を行っていない子供達の両親に17万6000通の手紙を発送する。10歳以下の子供達はワクチンを2回接種する必要がある。
保健当局によると30万8000人の子供達が1回目のワクチン接種を行っているが、65%が未だ2回目の接種を行っていないという。
州民全体では接種率は11%とされる。}
手紙を郵送するというのがすごい。ワクチン接種が必要と考えるなら、保健当局はここまでするのが本当なのだろう、と思う。
CDCのシュチャット博士によると米国全体で、初回ワクチン接種を受けた10歳以下の小児の中で2回目の接種を受けているのは37%のようだ。
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